SSBB便り
2025.08.22.
御坂峠 天下茶屋
山梨県の甲府市と富士吉田市を結ぶ国道137号線上に御坂峠(みさかとうげ)はあります。正確に言うと、御坂峠は国道137号の旧道になるので、現在の国道では御坂峠は通りません。(次の地図を参照)
そしてその峠には、太宰治との関わりの深い「天下茶屋」があり、現在でも営業しており、お店の2階にある「太宰治記念館」には無料で入館できます。
御坂峠の位置は下図の通りで、峠の南側には河口湖があります。

この峠は標高1,520mもある所なので、訪れた当日8/15は河口湖周辺ですら29℃もありましたが、ここは24℃しかなく、とても涼しくて気持ちよかったです。ここから下方に河口湖が見えましたが、生憎富士山は雲に隠れて中腹以上は見えませんでした。
天下茶屋から甲府方面はすぐにトンネルです。
天下茶屋から富士吉田方面です。道幅はあまり広くありません。
お店の名物は・・・ほうとう鍋と山椒みそおでんです。
山椒みそおでん。昔ながらの風情のある、ここならではの味と食感。Very Good!
お店の鴨居の上には沢山の色紙が展示してあります
立松和平さん
宍戸錠さん
その他、林真理子さんを始め、沢山の色紙でいっぱいです
いよいよ、2階の太宰治記念館です
2階へは土足を脱いで自由に出入りできます。
この2階の角部屋は河口湖と富士山が良く見える座敷です。井伏鱒二氏は多分ここに逗留
こちらは左の写真の部屋から廊下を隔てた部屋で、太宰治が逗留していた座敷です。
資料展示室には沢山の写真や本がいっぱいです。
天下茶屋初代のご夫妻
初代ご夫婦の娘さんで、太宰治の小説「富嶽百景」の中に出てくる娘さんのモデル
天下茶屋の向かい側の道を約70m進んだ所には「太宰治文学碑」が建っています。
【富士には 月見草が よく似合う】と刻んであります。
井伏鱒二がこの茶屋の二階にこもって仕事をしていることを知って太宰治がここへ来たのです。そして、井伏氏の許しを得て当分ここで落ち着くことにしたのです。勿論ここを舞台にして「富嶽百景」を書いたわけなので、それを読んでここへ来ると感慨深いものがあります。
昭和13年9月から11月までの3か月間、太宰治の生涯で天下茶屋滞在は、作品を執筆するかたわら、天下茶屋の人たちと親交を深めたり、結婚する時期とも重なり、転機となった重要な出来事だったようです。
ここは避暑にもいいですが、富士三景の一つに数えられている御坂峠からの冨士の景色は夏よりも秋から冬にかけた季節が良いと思われます。その時期にまた来てみたいと思っています。
By【S.H】